俺の枠の中から内から内部から外から内から外部から鍛え変質させ繋げ繋がり結び付け付き一つに総統合同全一体化しさせされる。ストアは万有の根底に確乎不抜の理性ないし理法のあること、宇宙人生は一貫して理性の支配の下にあるという。その結果ストア学派のあるものは極端な定命論を唱えて、人間の歴史が一定の周期を描いて全く同一内容の歴史的過程をそのままに克明に繰り返すと考えた。万有を統理する宇宙理性が各個の人間的理性を通して同一に働くというような、汎神論的な理性論がストアの考え方の根底であった。生活を理性によって統理し、道理にかなう生き方を生きなければならぬ。而してこの道理は万有を支配する自然の理法であるのだから、道理にかなう生き方は又最も自然な生き方でもある。ストア哲学における理性主義または合理主義は一面において自然観ないし自然主義を包蔵している。ストアの哲学は徹底的な唯物論の上に立ち、エピクロスにおける原子論的機械論よりも、もっと潤いに富む唯物論であった。一面においては宇宙精神を言い、神を言い、神の叡智を言って、純然たる唯物論的因果関係と目的論的な物の観方も一つである。幸福とは自然にかなう生活の内にある。自然は徹頭徹尾道理の支配の下にあり、自然に叶う生活は理に叶う生活である。その理を掴むものは官能とその衝動より理性とその思惟である。本能より反省である。人間として至高の境地は無感情の境地、達人賢者の至境、ストア的達人は完全に自足して自ら王者にして富むこと限りなしである。ストアの世界観によれば、人間が国家をなし社会をなして生きるのは天性の自然に基づくもの、人間の理性は宇宙理性と一つに繋がる存在である。四海同胞万民一体。ストアの社会観は汎神論的な世界主義であった。
