我が十代の文学少年時代の偶像であり神であった。少年は自分のまま或いは数年後の自分のままの姿で永遠化された存在を神として祭る。字のせいか運動した所為か全身の激しい疲労感・・また筋肉が鍛え上がり引き締まり能力が高まる。超越的絶対的存在、若さと無垢の半神なのである。耳元で煩く喋る声。何事かをたえず主張している声。大言壮語。子供っぽい夢。ばかばかしい自己犠牲。偽物の詩。死も怖れぬ情熱。身を灼くような恋。単純の美徳。本物のスリル。夢想の陶酔。わくわくするクライマックス。心もとろけるような美辞麗句。あらゆる美点があらゆる欠点と緊密に結び付いている。頭蓋骨も鎖骨も殻ごと持って行ってくれ！！身も痺れるような陶酔を味わう。夕暮れの倦怠と憂鬱が舞台を支配する。漂う末期的不安には世界不安の雛形、東洋の神秘と西洋の神秘との混合体、宿命の虜、宿命自体、自分の宿命を欲求する。天才の唯一の発露を見出そうとする世紀末の自己諷刺、星よりも月よりも太陽よりも高く昇るつもりで爆発した狼煙、自分が理想とする状態へ向かって強く決断する。
