全心情をもってその中に息づいた。
血が騒ぐ。悔恨が苦痛の錐となって胸を刺す。凄烈な気合を放った。いやおうなく新しい運命の中に投げ込まれた。無我の境地、無念無想の動きというのは、意識を失っての偶然の出来事のように見えて、夢中にあって、心・気・力が一致した働きを行うのは、剣士の一つの理想の姿である。一対多の戦いも絶対圧倒的超人的に強い。必死になった彼は、一匹の野獣として狂い、気魄によって大勢を倒した。猛々しい気魄が疲れきった体の奥で燃えていた。しなやかな若々しい体駆に精悍な力がみちている。顔に書いてあったよ、森くんも無表情なようで意外に表情豊かですぐ顔に出るよね。16歳、背も力もまだまだ伸びる。死と紙一重の危険な道を通り抜けて来たのだと鳥肌を立てた。変転の渦中に居た。俺の枠の究極完全完璧なる理想の完成形は知り理解し認識し自覚しているから、後は其処に全力全身全霊で引っ張って持って行くだけだ。分かり過ぎるほど分かっている。それは後世のあらゆる教養、あらゆる見解の背景、というよりはむしろ基礎である。若い心は容易に気に入らない所や理解できぬ所を飛び越してしまうが、しかしまたまったく別個の何物かを、すくなくとも理解の予感を包蔵する霊妙なもの、現象の雄大さと力強さ、その強い直接的な表現には深く感動させられる。それは永遠不滅の空気を呼吸するのである。一際高くそびえる。彼の生まれつきともいうべき無限の力が存している。実際にふさわしい偉大さと民族性と荒々しい自然の感情である。言葉は無粋！！押し通れ！！闇の中で荒れ狂っている。轟然と天地を鳴りとよもして押し通ってゆく風の塊にもまれ、一人の若者が歩いていた。諸芸にはすべて、筋といい、器量というものがある。天性の素質の優れている者は、鍛練によって内に潜む才能が、次第に表面にあらわれてくる。彼の剣の素質は、万人に抜きん出たものであった。背が高いから大業物でも使いこなせる。此処まで来れば、もう大丈夫だ。過去の全部の枠が今の枠であるとするなら、残し余してきた全部の力も使い切れ尽せ果たせる。様々な時代が交じり合う・・今の枠が枠の歴史枠史だとする。子供の頃の記憶でも顕著に思い出せるのは、それだけ軌跡道程に広げ広がり染渡り浸透して来た中心核と相当一つになって来た証拠か。全部の過去もまるで今の現実、当時より超現実である。大きな存在に背の高い男の人に包み込んで守ってもらえる。この人も強烈な個性の持ち主です。一瞬色を失った。一生の心の傷になりそうな倒れ方座り込み方だった。「恐怖の２８歳」が迫っている・・過去の全部の自分が枠が今の自分で枠であるとするなら、もっともっと若い筈なんだ。昔が今に返せたら、今こそまさに、その時だ。げに「人間」はやり終えた。あらゆる役を演り終えた。数字以外の半角文字を入れると文字化けするみたいですね。領域を過去にも広げ広がって来たから、積み重ね上げた軌跡道程は今にある筈なんだ。枠の軌跡道程は、過去の全部の枠は、今の枠である筈なんだ。枠も集まり合わさって来る中心に位置する、枠が中心である。あの日もあの時もあの頃もあの季節も今に！！力で持って行く来るだけだ。過去の自分も今に協力してくれる。過去の枠が今の枠にさえあれば、大逆転大打開も可能だ。16才ではこんな様になっているとは・・その16才も今である訳だ。宇宙における破壊と再生のドラマは何処までもスケールが大きい。そのもの全体の中に16歳から広がる中心核枠が有るとするなら、そのもの全体全面まで俺が広がり切れば、16才も中心核も枠になる筈だ。早熟した天才の滅び行くのを見る。冬来たりて春を待つ、風に舞う雪を花に映すも人の心・・なびく葦の心になりて風に身を任せ申した。木の葉は落尽した、寒い風が枝を吹き折った、雪が芝生を蔽い尽した・・時節が到来した。繊細美麗な処から自由なる熱情を味い更に破天荒なる不調和無形式を讃賞した。暖い春の日光に照される身のうっとり夢心地になるや否や、自分も已にそれ等不朽の詩聖の列に加られたような気になってしまう。若い中にもなお若く、美しい中にもなお美しい。夢、酔、幻、これが我等の生命である。非常に疲れた。身体も心も非常に疲れた。あわれ、過にし夢、仇なる思出、何という美しい優しい悲哀、天地はかくのごとく漠然たる夢現の世界になる。意識は既に宇宙へ飛んでいる。意外や意外、恐ろしいほどの適応力である。
