未完成ながら既にその華麗さが誇りかに示され、総ての歴史と総ての神話とを照らしている。何と美しいことだろう！かくも美しい不思議に優しい貴方の眼の中へ月の心が宿され移り気が住む貴方の眼の中へ私は沈んで行く。彼の如く生れながらに好んで常軌を逸する人にとっては一切が可能である。彼のこの好奇な病的な魂の深さの中へ更になお前方へ進入する。生命の神秘を象徴的に表現する。あの奇蹟的に躍動し生気溌剌として美の一般的な漠然たる観念に関してのかの古代の最も優秀なる彫像の如くにまで到達したならば、それこそ実に確かに特異な全く意想外の場合であるだろう。彼は、それを生ある可能なる現実的なるものと考えられる一箇完全なる理想の権化であった。不思議な永和の状態で芸術の光彩が殉教者の栄光と混じり合っている不滅の円交を頭の周囲に戴いて、この道化役者は舞台の上を往来し笑い泣き身を捩らせていた。一種名状しがたい優美さで神性と超自然とを最も奇妙な道化の中にまで導き入れていた。芸術の陶酔こそは奈落の恐怖を覆うに適し、天才はその墓穴の縁に於ても歓喜を以て実に彼の如く墓穴と破滅との一切の観念を排した天国に没入して喜劇を演じうることを証明した。私の空想は、あらゆる可能の判定から、あらゆる可能の演繹を試みて進展していった。そこには気持ちの良い空気が支配していて殆ど一瞬にして人生の厭な物憂さなどは残りなく忘れさせた。生まれてくるのを感ずる時に覚えるような測り知り難い至福を呼吸する。宿命的な美の際立った男の異様な顔があった。魂に未知の国土と幸福への郷愁をそそる。宇宙に就いて、その創成と未来の破滅に就いて、現世紀の大なる思想、即ち進歩と完成可能性に就いて、及び一般に人間の耽溺のあらゆる形式に就いて、我々はまた語り合った。神よ！主なる神よ！願わくはかの悪魔をして、その誓約を守らしめ給え！
