枠からは何もかも全部抜け飛んでしまった。
俺の枠の中から内から内部から内面から何もかも全部を外に外部に外面に引き摺り出し起こし返し発露する。トップを独走し頂点に立ちながら常に開拓精神を持つ挑戦者の立場だ。生まれ産まれたのも16才も全部の過去も今の現実、十年も前の事でもまるで昨日の事のように話す。彼は多くの哲学体系に全く新しい光を投じた。これまで孤立的におかれている諸々の哲学の学説に互いの連関をつけたのみでなく、それらを哲学的精神の歴史的発展の行程において必然的なものとして叙述することができた。我々は時代の深い精神によって要求されている。我々は一緒にヨリ美しい時代の曙綱光を迎えようではないか。これまで外部に向って分裂していた精神は自分の内に向い、自分自身に帰ることができる。この精神は、諸々の心情が日常の関心以上に高められて、真なるもの、永遠なる物、神的なものを感受することができ、最も高いものを考察し、またつかむことができるような空間と土壌とを、自分の国として獲得することができる。真理の勇気、精神の力に対する信念が哲学の第一条件である。人間は精神であるから、最高者にふさわしく自分自身を尊敬してよいし、また尊敬すべきである。宇宙の本質は必ず自らを開き、その富と根底とを、その人の眼前に現して享受に委ねる。哲学史の考察の関心となる側面は多様である。いわゆる過去的なものと到達した現在の段階との本質的な関連の中に求める。哲学史が我々の面前に叙述するものは高貴な精神の系列であり、思惟的理性の英雄たちの画廊である。その理性の力によって物の本質の中に、即ち自然や精神の本質の中に、つまり神の本質の中に分け入り、我々に最高の宝物、理性的認識の宝物を取り出してくれた英雄たちの画廊である。この思惟の諸行為は最初は歴史的なものとして過去の事柄であり、我々の現実の彼方にあるように見える。我々は現実的にあると同時に歴史的にあるのでもある。この所有は相続であり、人類の過去の全世代の労作の結果である。歴史の軌跡道程の先端を走り頂点に立つ枠である。伝統こそは、聖鎖の絡むように、あらゆる常なきもの、あらゆる過ぎ去ったものを貫通して、我々に保存し伝えて来たものなのである。伝統は生きたもので、源から進むに従って益々増大する隆々たる流れのように膨張するものである。世界精神の生命は行為である。行為は既存の素材を自分の前提として、それに対して活らく。しかも、それを単に材料の附加拡大によって増すのみでなく本質的に加工し改造するのである。各世代が科学において精神的生産において現に有するものは、あらゆる前の世代が相共に蓄積して来た相続品である。或いはまた、全人類が生涯、自分の助けとしたもの、彼等が自然と精神との根底から獲得したものの宝庫である。相続が次に来る各世代の魂を形成する。慣性となった次代の精神的実体、次代の根本原理、成心と財産を形成する。既存の学問を理解し、その上でそれに自分の手を加え、学問を更に発展させヨリ高い立場に高めること、このことこそ我々の、また各時代の役目であり仕事である。内容の大半殆んど大部分は元来存続する、新しく成立したものは以前に獲得しされたものの変化と言うよりは、それの追加と増補である。共存的に進歩する。先行するものが多くの訂正を受け、大部分は恒常で新しく附け加えられるものによって自分を豊かにして行く。常に自分を更新して行く全体の諸変化の光景を表す。歴史のうねりだ、俺こそが歴史そのものであり全時代的に広がっているのだ、何時にでも何処にでもあらゆる時あらゆる場所に居る。ただ自分自身だけを、まさに最も高尚なものだけを、問題にし、自分自身を探求し、発見した場合、これこそ最も立派なことだと見る。我々が今問題にしている歴史は、この思想の自分自身の発見の歴史なのである。しかも思想が自分を産み出すことによってのみ自分を発見すること、思想が自分を発見することによってのみ存在し現実的にあるということ、これは思想においてのみありうることである。本質的に思想であるところの思想は即且向自的〔絶対的〕であり永遠である。個々の部分は全体への関係によって独自の価値を持つ。彼の精神の発展の歴史、軌跡道程を俯瞰、全歴史の鳥瞰図、全体を総括する。何事の認知であれ、それには全くただ自身の識見、自分自身の信念だけが自分に対して責任のあるものだということになる。真理は偉大な言葉となって心を鼓舞する。丹田から枠から俺まで性器から脳天から宇宙まで突抜貫き通って徹っている。枠の本体は中心核として16才から創り造り作り出し上げた、あとは意識を魂を入れるだけだ。今の彼は魂の放浪者だ。心の中のわだかまりを捨て去り本来の自分に戻る。心の旅、己の心を探る旅だ。お前が目指している修行者の姿を取り戻す。完全燃焼？不完全燃焼？いつも爆発したいと思いながら爆発しきれずにいた彼にとっては、未知の世界への挑戦という気分で浮き立っている。くすぶり続けていた少年のような活力が燃え上がってきていた。
