頭脳精神肉体的に全身に充実させる。
完全に精神的バランスを欠いている、変質成長の為？均衡を保ち安定させる。そのもの全体全面まで俺という広げ広がり続けた領域も16歳から軌跡道程から中心核から今枠ごと一つに纏め纏まる。そのもの全体全面から俺から今中心核全枠に16歳丹田に取り込み入れ集め集まる集中集合集結集する。身体がグンと巨大きくなった。力が上がり高まった。どんな場合でも外面捉えるだけでは駄目だ。本の世界、作者の世界に入り込み完全に自分のものとして己に取り込み入れるんだ。現状を分析する事自体は簡単、問題はそれを材料にして先読みする事だ。純粋培養された超一流の若きエリート戦士だった。本当の天職は自分自身に達するという唯一事あるのみだった。突然鋭い炎のように一つの悟りが私を焼いた。目覚めた人間にとっては自分自身を探し自己の腹を固め道を探って進む。肝要なのは自己の運命を見出し完全に生き抜くことだった。新しい姿が恐ろしく且つ神聖に私の前に浮かんで来た。それは百度も予感され幾度も口に出されたものであろうが体験されたのは今が初めてだった。私は自然から不確実なものへ新しいものへ無へ向かって投げ出されたものだった。この一投を心の底から存分に働かせ、その意志を自己の内に感じ、それを全く自分のものにするということ、それだけが私の天職だった。既に散々孤独を味わってきた。運命の意のままになりきれたら偉く正しいだろう。夢想し予感し予覚する、全く静かな時を見出したとき、数回そのようなあるものを感じた。心の中を覗き自分の運命の姿の開いて凝視している目の中を見た。それは知恵に満ちていることも狂気に満ちていることも愛あるいは深い悪意を放射していることもありえ同じことだった。ただ自己を自己の運命を欲することを許されるだけだった。私は自分の運命に引っ張られているのを願いの実現が近いのを感じた。焦燥に狂おしくなった。ひたすら自分の運命が新たな姿で自分に向かって来るのを待ち受けた。自分にとって重要な日が明けたのを感じ、私は周囲の世界が変化し深い関係をもって厳かに待機しているのを見つ感じた。微かに流れる秋雨も美しく静かで厳粛に朗らかな音楽に満ちて祝日のようだった。初めて外部の世界が私の内部の世界と清く諧音を発した。魂の祝日は来た。生き甲斐が出来てきた。すべてはあらねばならぬとおり、すべては待機している自然、運命に対し恭しく用意を終えていた。この世界がこんなに美しく有り得るとは、私は自己の内に沈潜することに慣れていた。すべてのものは埋もれ暗くされていた、世界が輝くのを見、観察する子供の深い驚きを味わうことができるのを知り、うっとりした。私は身辺を見回しているうちに、すぐ夢の中に浸った。世界の殻から躍り出た私の鳥、心を打たれて私は立ち竦んだ。この瞬間に私が嘗て為したり体験したりした一切のものが答えとして実現として戻って来るかのように楽しい気がした。稲妻のように早く沢山の画面が私の心を走り過ぎた。少年の私自身、憧れの鳥を描きながらそれ自身の糸の網の中に心を巻き込まれていた青年としての私自身、それらすべてのもの、今この瞬間に至るまでのすべてのものが私の心の中に響き返ってきて肯定され答えられ是認された。馴染みの道に出会うと世界全体が故郷のように見える。すべては成熟し暖かく自明だった。新しい姿で私の運命は現れた。私は一つの目標、路上の高い一地点に着いた。そこからは今後の道が約束の国々を目指し近い幸福の梢の影に覆われ、あらゆる喜びの近い庭に冷やされて遠く輝かしく現れていた。貴方の運命は貴方を愛している。貴方が絶えず忠実であれば夢に見るような運命が何時かは完全に貴方のものになる。私たちが唯一つ義務として運命として感じていることは私たちの銘々が全く自分自身になり自分の中に働いている自然の芽生えを完全に正しく遇し、その心に適うように生き、不確実な未来が齎す一切のものに対して準備をしておくようにすることだった。現在のものの崩壊と新生とが近づいており既に感じられるということは皆の気持ちの中では明らかだった。自分の種を救って新しい発展に進むことが出来た。完全に正しく願う。自分の心の中で実現を確信する程に願えるようになったら実現もすぐです。貴方は願っているけれど、また後悔し不安を抱いている。そういうものはすべて克服される。彼は無くなった世界全体を自分の方に引き寄せたのを見て戦慄を感じた。世界が彼の前に立って彼に身を任せた。空と小川と森、すべてが新しい色彩で瑞々しく見事に彼の方に向かって来、彼のものになり彼の言葉を話した。唯一人の女を得る代わりに彼は全世界を胸に抱いた。空の星のすべてが彼の中で赤々と焼け心の中に快感の火花を飛ばした。彼は愛して、それによって自分自身を見出した。自分の本性が引き付けられて目指す対象、ひたすらより深く私自身の内部に導こうとしている。現実と象徴とが重なり合った。本を読んで新しい認識を得た。心の中で進歩した時のような感情を抱いた。私にとって重要であり運命であった一切が彼女の姿をとる。彼女は私の思想のすべてに変わることができ、すべての私の思想は彼女に変わる。彼女は私の流れ込む海だった。彼女は一つの星、私自身も一つの星として彼女を目指して進んでいる。私たちは出会って互いに引き付け合っているのを感じた。そして一緒になったまま鳴り響く近い円を描いて幸福に永久に互いの周囲を回転した。それは美しい夢です。それを本物にしなさい。記憶が私の全身を震わした。時間を超越しているように見えた。私は美しい日々に執着していた。それは私の幸福な時、私の生活の最初の充実、同盟の加入、私はまた活路を開き憧れに悩み夢を持ち孤独になるだろう。魂の力を凝集させる。甘美な姿を呼び出すために全力をかき集めた。世界の流れは今突然私たちの心の真ん中を流れる、また冒険と激しい運命が私たちを呼び、今か或いは直ぐに世界が変化し私たちを必要とする瞬間が来る。運命という極めて孤立的な事柄を全世界と共に体験する、隅々まで非常な興奮に沸き立っていた。いよいよ終りだ。事態は急速に進んだ。底の方で何かが成長しつつあった。新たに生まれうるために内的に分裂した魂の放射、巨大な鳥が卵から出ようと戦っていた。卵は世界だった。目的地に着いた。心中に引力と衝動を力強く感じたところだった。自分は呼ばれた所に来たのだということを感じた。自分自身の姿が今は全く彼に、私の友であり導き手である彼に似ている自分自身の姿が見えるのである。『デミアン』は力作問題作、大戦直後、迷えるドイツ青年層に大きな衝撃を与えヘッセ自身にとっても人間的にも芸術的にも一転機を画した。ヘッセが必死になって自我と取り組んだ力作、彼の代表作であることは衆評の一致しているところである。ヘッセは詩人になろうという宿願に向かって生きて来、その努力が着々報いられていく幸福な世界に住んでいた。それが大戦によって根底から覆され彼は内的にも外的にも全く平和と拠り所を失ってしまった。それを再建する第一歩が『デミアン』であった。ヘッセはここで転身した。
